マンションの大規模修繕工事の周期は、各部材の耐用年数や劣化状況によって変わりますが、一般的に10年~15年と言われています。これらの周期に備え、分譲マンションなら管理組合によって「長期修繕計画」の作成が義務付けられています。長期修繕計画とは、マンション性能の保持、老朽化の防止のための長期的な(10~30年程度)修繕計画です。この計画の中に大規模修繕工事の時期や費用の目安も書かれています。
基本的にはこれを基に計画的に効率よく修繕計画を実施しますが、「10年前後で大規模修繕工事」という計画が立っていても、思ったほどマンションが劣化していない場合があります。そのため、大規模修繕工事はもう数年先で大丈夫そうだけど、細かいサビが増えたから鉄部塗装だけは先にやろう、と微調整することもあります。 このように大規模修繕工事を10年~15年で実施しないとしても、建物の診断は少し早めに行うのが望ましいでしょう。
では、実際に大規模修繕工事を行う際にはおおまかに以下のような流れになります。
1.診断、計画、設計、などを行うパートナーを選定します(管理会社に任せることもできます)
2.建物や設備の劣化診断を行います。
1回目の大規模修繕工事時は、外装部分が対象になることが多いですが、2回目以降は配管など設備面の改修・交換が増えてきます。
3.大規模修繕工事の設計をします。
4.修繕計画を基に見積もりをとって施工業者を選びます。
5.マンション居住者の承認を得た後、工事を実施します。
おおまかな流れは以上になります。大規模修繕工事の準備は2年程度かかるので、建築後8年ほどで一度検討し、診断を始めると良いでしょう。