修繕費の大部分を占める「足場」に隠されたカラクリを見抜け!

修繕委員会に選ばれ、修繕に関する知識はついている方でも見落としている可能性があるものがあります。それは「足場」です。

「足場」のカラクリって言っても、「足場がなくては何も出来ないし、多少高くても仕方なくない?」と思う方もいるかもしれません。

そんな方には是非読んで頂きたいと思います。

 

工事に不可欠な「足場」とは

まず、工事をする上で、足場を作らなければ成り立たない工事はどのようなものがあるか考えてみましょう。それは塗装工事、外壁工事など建物の外側に手を加える工事全般に足場は作る必要があります。

ビルやマンションの工事を行ううえで、必要である足場。さて、足場にはどのようなものがあるでしょう。

「組立足場」

組立足場とは、一般的に工事現場で見かける足場のことを指します。これにも「枠組足場(ビテイ足場)」「単管パイプ足場」「ビケ足場(くさび型足場)」の3種類があります。

この3種類にはそれぞれ特徴があります。

「枠組足場」とは

枠組足場は鉄骨を組み合わせて作るもので、足場は鉄板で60センチくらいあります。幅も広いので従業員は安心して作業をすることが出来ます。

「単管パイプ足場」とは

鉄パイプを縦横に咬み合わせ、ボルトで締めたものです。低層の建物や、でっぱりがある建物、外壁の周囲にゆとりがない場所で使われます。

「ビケ足場」とは

単管パイプ足場が改良されたもので、踏み板の先端にくさび上のものがついており、組み立てたパイプにそれを引っ掛けて固定できるので、より安易に作業することが出来ます。

 

マンションの大規模修繕の多くは上記の組み立て足場を作って行われることが多いです。

 組立足場の特徴

メリットとしては、作業員の安全性が高いことがいえます。安定した足場を作っての作業になるため、危険は少ないです。そしてもうひとつ、一度に何人もの作業員が足場に乗ることが出来るので、人海戦術による作業効率も高いです。

デメリットとしては建物の大きさが大きくなるにつれて、部品を多く必要とするので、費用に影響が出てしまいます。建物が大きくなればなるほど、費用がかさむのが一番のデメリットです。また、修繕作業時は良いですが、組立や解体時は事故の可能性も高くなります。

住民としても、いくら高いところに家を買ったとしても、足場が組まれている以上、1階と変わりません。ゆえに、防犯の面で一抹の不安が残ります。

 「釣り足場」

釣り足場とは屋上から、ワイヤーやロープでブランコや箱を吊り下げて作業するものです。

よく見かける、高層ビルの窓清掃をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。釣り足場にはゴンドラ足場とブランコ足場(ザイル足場)があります。

「ゴンドラ足場」とは

ビルやマンションの屋上からワイヤーでつるした箱(ゴンドラ)に乗って作業を行います。新築時に建物に設置してある「常設ゴンドラ」と改修工事のときにだけ搬入する「仮設ゴンドラ」があります。近年では建物にレールを取り付けてあり、レールに沿って上下するゴンドラも作られています。超高層ビルでは、足場を組むこと事態にかなりの危険があるので、全ての作業がゴンドラ足場で作業が行われます。

「ブランコ足場」とは

ロープにブランコ状の板を吊り下げ、そこに腰掛けながら作業を行うのがブランコ足場です。ダムなどの斜壁を工事するときには必須になる足場です。しかし、一方でビルやマンションなどの塗装工事にはブランコ足場が有利になることが多く、近年では取り入れる企業も増えてきています。

 釣り足場の特徴

釣り足場では手軽に作業をすることが出来るのが最大の利点です。当日の作業が終了したら、ロープを引き上げることで元通りに戻るので、防犯の面ではもちろん、景観などの面でも普段と変わりません。ゆえに住民のストレスが限りなくゼロに近い工法といえるでしょう。しかし従業員にとってはとても危険な作業なので落ち着いた判断力と熟練した技術を持った人でないと作業が効率よく進まない問題点があります。

 まとめ

もちろん釣り足場なら設置費用は安くは済みますが、工期の関係で最終的に高くつくこともあります。

ゆえに、「行う工事にあった足場」を選択することが大切です。