マンションが経年劣化した際に必要な大規模修繕工事の価格は、一般的な相場で「一世帯あたり約100万円ほど」と言われています。ただし、これはあくまで相場と考えた方がよいでしょう。例えば全面タイルなのか違うのかだけでも変わってきます。実際、1世帯あたり50~60万程度で済む場合もあります。
ただ、もし仮に一世帯60万円かかるとしても、大規模修繕工事には非常にお金がかかることは想像できます。 ですが、大規模修繕工事は必ず行う必要がありますし、長期的に見るとしっかりした大規模修繕工事を行わない方がコストが高くついてしまいます。
例えば水漏れが起きた場合、そこだけの修理では済まない場合が多いのです。水漏れが起きてからの補修に比べれば、事前での補修の方が価格は安く済みます。 それに、水漏れで住民の持ち物が壊れたり水没してしまった場合、損害賠償が発生してしまいます。
また、タイルが剥がれて落ちてしまい、下の人に当たってしまっても同様です。タイルの落下なら死亡事故にさえ繋がってしまう危険性もあります。大規模修繕工事ではこれらを未然に防ぐことになるので、結果的にはコスト削減と安全に繋がります。
大規模修繕工事にはお金がかかります。ですが価格ばかり気にしてはいけません。マンションを良い環境にすることで、入居者の安全と信頼を確保できます。不備があったり、汚いままのマンションでは次の入居者の確保に繋がらず資金確保もできません。
最後に、工法により価格は変わります。例えば、足場を作る工法より足場のないブランコ工法ではコスト削減ができます。50世帯の建築物で比べると、A社で4600万かかったものが2900万で行えたりします。もし価格を抑えるなら工法の違いで判断するのも良いでしょう。