大規模修繕の施工からの流れの注意点と点検すべきポイント

こんにちは。

以前大規模修繕の施工開始までの流れは紹介させていただきましたが、今回は施工からアフターまでの流れと点検時の注意すべきポイントについて解説させていただきます。

施工からの流れ

契約の後に施工会社から住民に向けた工事説明会を経て施工となります。施工開始から竣工、アフターまでの流れとその時のポイントを見てみましょう。

施工開始にむけて

施工前のワンポイント!

近隣トラブルを防ぐ「挨拶回り」

施工の日にまず私たちが行うのは近隣の方への挨拶回りです。施工中の音や臭いに敏感に反応する方もいらっしゃいますので、念には念を入れてトラブルを防ぐために挨拶回りは欠かせません。施工の一週間前くらいには回るのがいいと思われます。

施工中のポイント

工事の監視

基本的には仕様書に沿って施工していきます。

ほとんどの施工会社は工事の過程で大切な部分ではお客様の立会いを行います。不具合のない工事を心がけてはいると思いますが、必ずしも設計書や仕様書の通りに施工が行われるとは限りませんので、担当者による監視を徹底することをオススメいたします。

防犯面の対策

また、足場を設置する時は防犯面に気を使いましょう。足場からの不審者や空き巣の侵入を防ぐために、居住者へのアナウンスを行いましょう。また、警備員の配置など、施工会社側で防犯面のフォローを行ってくれる場合もありますので、事前に確認することをオススメいたします。

危険エリアの確認

施工中の危険エリアについてどういった対策をするかは確認しておくべきです。カラーコーンやテープで進入禁止エリアを設置することや、予算によっては警備員を配置するなどの対策を施してくれるかもしれません。

施工後の注意点

長期にわたる工事が終わり、元の生活に戻れる・・・と思っても油断してはいけません。

大規模修繕では施工後の確認期間がとても大切です。

瑕疵の調査

瑕疵とは、本来ないはずの欠陥や仕様と違った状態になっていることを指します。

管理組合や修繕委員会の方々は特に念入りにチェックを行ってください。そして、問題点や瑕疵を発見した場合はしっかりと施工会社へ伝え、対応してもらいましょう。また、写真や書面により証拠を残しておくことも大切です。

アフターサービスの適用範囲の確認

全ての作業にアフターサービスが含まれているとは限りません。

施工会社によってアフターサービスによるフォローの範囲はさまざまです。フォロー内容の確認は必ず行いましょう。そしてこちらもしっかりと書面で確認し、保存しておくとよいでしょう。

修繕委員会の引継ぎ

大規模修繕が終わると修繕委員会が解散することがほとんどです。その際に引継ぎする仕組みを作ることも大切です。引継ぎを怠った場合、アフターサービスの連絡が届かないなど、スムーズにサービスを受けられないことがあります。そういった状態に陥らないように、引継ぎが行われる仕組みを構築しておく必要があります。

点検のポイント

瑕疵の点検といっても、何を見たら良いのか分からない・・・という方のために、点検作業のポイントを紹介いたします。

屋上

防水素材の膨張、破損がないか

防水シートや防水の塗装が膨張して表面がでこぼこしている場合は、内部にさびなどが残ってしまい、爆裂につながる危険があります。また、防水シートに穴が開いてしまった状態や、塗装に隙間がある場合、そこから雨水の浸入を許すことになってしまいますので、大規模修繕を行った意味がありません。そのような事態を発見した場合は施工会社にすぐに伝えましょう。

壁や天井

塗装にひび割れが残っていないか

塗装面にひび割れが残っていたり、一部の塗装がはげている場所があった場合は要注意です。そこから雨水が躯体に浸入し、ダメージを与えてしまいます。また、塗装の剥がれたものを取り除かないで上から塗装をかぶせている場合があります。その場合下にある塗装が剥がれやすくなってしまっています。

タイルの状態の確認

外壁のタイルの割れている場所には張り替えるか、樹脂を注入して剥がれによる落下を防ぐ措置をとっていると思われます。説明がない場合、念のため確認しておきましょう。また、一部がかけている場合も樹脂で補強する必要があります。放置していると、そこから雨水が浸入してしまうため、注意して見てください。

バルコニー

バルコニーに関しては、組合員の方一人一人が注意しなければなりません。アナウンスはしっかりと行いましょう。バルコニーの壁や天井に関するものは同じなので、バルコニー限定の場所として排水設備があります。

排水設備の確認

排水設備に土やごみが詰まっていないかはしっかりと確認しましょう。配水管が詰まっていると、本来の機能を発揮してくれなくなってしまいます。また、配水管と建物の接続部の錆びの状態も処理されているか注意して見ましょう。また、手すりもぐらぐらしていると危険ですので確認が必要です。

駐車場・駐輪場

鉄部の塗装の状態の確認

駐車場や駐輪場は基本的に鉄で作ってあり、上から塗装が施されています。塗装により、雨水から鉄を守っているような状態です。このときも注意すべき点は、剥がれかけた塗装を剥がさずに塗っていないかです。加えて、気をつけなければいけないのは錆びの状態です。錆を適切に処置した状態で上から塗装を行っているかはしっかりと確認しましょう。

最後に

いかがでしたか?

今回は大規模修繕の施工中から施工後にかけて、注意しなければならないことをまとめてみました。

私たちもお客様の満足につながるよう、努力してまいります。