コストや安全性に影響?大規模修繕における足場選びのポイント!

こんにちは。

前回は一般の方には馴染みのないであろう「足場」について紹介しました。足場によって影響してくる大きなものとしては、費用と安全性があげられます。

今回は足場の選び方のポイントをプロの目線で紹介していきたいと思います。

 

足場でコストが変わる?

修繕工事における足場選びは、それぞれの特徴を理解した上で、使い分けると修繕コストの削減につながります。

はじめに、基本的には「組立足場」よりも「釣り足場」はコストがかからないと言えます。

それは単純に組み立てる時間や解体の時間的なコストと、現場内及び現場まで部品を運ぶための運搬経費や労働力などが削減できるからです。また、事故防止のための設備も大掛かりな準備になるため、コストに影響がでてきます。

 

さらに言うと、釣り足場の中でも、「ゴンドラ足場」より「ブランコ足場」のほうが費用削減に効果的です。

ブランコ足場はゴンドラ足場よりも、設置が簡単であることが理由としてあげられます。もちろんブランコ足場ではできない修繕作業もありますが、できるだけブランコ足場を活用することをオススメします。

 

足場における安全面について

安全面についてもここで紹介させていただきます。

安いのは分かったけど「ブランコ工法」で安全性は大丈夫なのか?という心配もあるかもしれません。結論は、全くの問題なしと見て良いでしょう。

ロープは登山などで命綱として使われる、かなりの重さに耐えられるものを使用していますし、メンテナンスも行っているので安全といえます。そして企業側としても、高度な技術を必要とする作業であるブランコ工法をこなせる技術者は、企業存続に関わるほど貴重な財産なので、大切にしているはずです。

国が行っているダムの補修工事や高速道路脇の斜壁止め補修工事などもブランコ工法が使われています。

組立足場については作業中には確かに安全ですが、組立足場を使っている時に事故が多いのは組立時と解体時です。解体中に資材が落下し、通行人にぶつかるケースなどがこれに当たります。

防犯という点でも、足場を作ると侵入者はたやすく侵入できてしまいます。しかし、釣り足場の場合はロープを引き上げるともとのマンションと変わらないセキュリティーが保たれることになります。

 

本当に大事なのは・・・

本当に大事なことは「しっかりと知識をつけて、物件に合わせて使い分けること」です。

知識があれば、組立足場と釣り足場の併用などのテクニックも使うことができます。組立足場は建物が横に大きくなるほど、費用がかさんできます。そのうち1面だけでも釣り足場を利用することができれば、多少の費用削減につながります。

例えばバルコニーだけ組立足場で、そのほかの外壁はブランコ足場といった選択が可能になります。もちろん逆もありえます。

しかし、「共通仕様書」で見積もり条件として組み込まれていたらこの手段を選ぶことはできません。また、ブランコ足場は豊富な経験と高い技術が必要不可欠であるため、取り入れていない施工会社も数多くあることも事実です。

 

最後に・・・

足場を選ぶ時の参考になればと思い、ポイントをまとめてみました。

 

組み立て足場が適している場合

・外壁の痛みが激しい場合

 

ゴンドラ足場が適している場合

・15階を超える高層ビルの場合

・バルコニーや廊下に見付壁が多い建物

・侵入者による犯罪を防止したい場合

・既存の外壁の痛みが比較的少ない場合

 

ブランコ足場が適している場合

・修繕費用が少なく、工費を圧縮したい場合

・バルコニーや廊下に見付壁が多い建物

・侵入者による犯罪を防止したい場合

・既存の外壁の痛みが比較的少ない場合

・何回かに分けて建物の修繕工事を行いたい場合

・近隣の建物との間隔が非常に狭い箇所がある場合

 

以上が選ぶポイントとなります。

皆さんの修繕が安く、安全に、そして快適に行われることを心から願っています。