外壁タイルの耐用年数とは?メンテナンス・修繕のタイミングは要確認

外壁タイルは、高級感のある質感と高耐久性を持つ素材として、戸建てやマンションの外壁、公共施設に至るまで、広く利用されている外壁素材です。他の素材より丈夫で長持ちすると言われている外壁タイルですが、実際の耐用年数やメンテナンスなどのタイミングが分からず悩む人も少なくありません。

当記事では外壁タイルの耐用年数やメンテナンス周期・メンテナンスのタイミング・外壁タイルを長持ちさせるコツについて紹介します。

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  • 1.外壁タイルの耐用年数とメンテナンス周期

    外壁タイルは土や石・砂などの原料を成形し1300度の高温で焼き固めた建築用素材です。経年劣化が少なく、硬くてキズや摩耗に強い丈夫な素材として幅広い建物の外壁に使用されています。

    まずは、外壁タイルの耐用年数とメンテナンス周期について見ていきましょう。

     

    1-1.外壁タイル・接着剤・コーキング剤の耐用年数

    先程ご紹介したように、外壁タイルの耐用年数は20年~30年程度
    です。定期的にプロのメンテナンスを行うことで30年以上使用することも可能となります。

    同様に、外壁タイルの貼り付け時に使用する接着剤や、タイル同士の隙間を埋めるコーキング剤(シーリング)にも耐用年数があります。

    一般的に使用されている「官民仕様」のものであれば接着剤の耐用年数は20年程度、コーキング剤は一般的に5~10年程度と言われています。

    1-2.外壁タイルとその周辺のメンテナンス周期

    外壁に外壁タイルのメンテナンス周期は10年に1度程度です。

    10年程度であれば外壁タイル自体の交換などは滅多にありませんが、タイル同士をつないでいる部分が劣化するため、メンテナンスを行う必要があります。

    一般的な外壁素材の場合、メンテナンス時に外壁の塗り直しや張り替えなどの補修で数百万円の費用がかかるケースもあります。外壁タイルは基本的に張り替えせずに済むケースも多く、他の外壁素材と比べてメンテナンス費用を安価に済ませることが可能です。

    例えば外壁として多く利用される「サイディング」と外壁タイルのメンテナンス費用を比較すると、外壁タイルのメンテナンス費用はサイディングの半分程度に抑えることができます。

    2.外壁タイルのメンテナンスが必要となる状態とは?

    外壁タイルのメンテナンスの周期は、環境や施工によっては早めのメンテナンスが必要になることもあります。

    例えば、外壁タイルに「外壁タイルの浮き」「外壁タイルの剥がれ」もしくは「コーキングの剥離・割れ・ヒビ」を発見した場合、メンテナンス周期である10年未満であっても早めの補修が必要です。

    補修が必要なケースとその原因について、対策方法を詳しく見ていきましょう。

    2-1.接着不良によるタイルが浮いている

    「外壁タイルが浮いている」場合、メンテナンスを行う必要があります。タイルの浮きの原因として考えられる一番の原因は施工時の接着不良です。

    一般的に外壁タイルは正しく外壁に接着されていれば、ほぼ剥離が発生しません。しかし、外壁タイルの取扱いに慣れていない施工業者による貼り付けや手抜き工事、品質の悪い接着剤が使用されるケースでは、経年に伴って外壁タイルに浮きが発生することもあります。

    外壁タイルの浮きを放置した場合、隙間から雨水やホコリが侵入して隣のタイルや建物全体に被害が拡大するケースがあるため、早期発見・対策が肝心です。

    2-2.目地材の不良でタイルが剥がれそうになっている

    目地材の不良を放置しているとタイルが剥がれはじめ、やがて落ちてしまいます。

    タイルの剥がれが進行したケースでは周辺のタイルと目地材まで補修が及ぶこともあるため、被害を最小限に抑えられるよう普段から外壁の状態に目を配ることが大切です。

    目地材の施工時に、業者がコスト削減を理由に適切な量を使わなかったケースでは、目地材の不足で外壁タイルのくぼみが深くなることが考えられます。

    くぼみは雨水やホコリが溜まりやすく、侵食が進行する原因の1つです。
    雨上がりなどに外壁の状態を確認し、くぼみに水が溜まっていたり汚れがひどい場合は一度専門家に見てもらうようにしてください。

    2-3.コーキングが剥離・割れ・ヒビが発生している

    コーキングは痛んで剥離・割れ・ヒビが発生することがあるため、放置するとタイルの割れなどに繋がるためメンテナンスが必要です。

    不良が見つかったコーキングは、劣化部をカッターで剥がし再度コーキングを挿入する作業を行います。この時、コーキングの剥がし残りがあると劣化したコーキングが新しいコーキングを内側から傷つけ耐久性を下げてしまうため、しっかり剥がしきることが肝心です。

    コーキングのヒビは、地震発生後にも見られます。外壁の緩衝材としての役割を持つコーキングですが、想定以上の揺れや力が加わるとヒビや割れが発生します。

    コーキングにヒビがあるケースでは後々割れなどに繋がることも考え、遅くともヒビが発生してから1年から2年以内に対応してください。いつから発生しているか分からない場合も考え、なるべく見つけてする対応するのが望ましいです。

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  • 3.外壁タイルを長持ちさせるコツ

    外壁タイルを少しでも長持ちさせ、メンテナンスコストを抑えるためのコツは「施工時に優良な業者を選ぶ」「品質の良いコーキング剤の使用」「定期的なメンテナンス」の3つです。

    特にマンションでは劣化によって外壁タイルが剥がれ落ちてしまうと、大きな被害に繋がるケースもあるため、外壁タイルの劣化には十分に気を配りましょう。

    3-1.建築時に優良な施工会社・建設会社に依頼する

    タイルの浮き・剥がれが多い原因として、施工会社・建設会社の施工不良があげられます。外壁タイルを長持ちさせるためには、施工時に技術が高く優良な施工会社・建設会社へ依頼することが肝心です。

    外壁タイルとコーキング剤の選択と施工の技術、メンテナンスに至るまで素人ではなかなか判断がつきません。口コミなどを参考にして、信頼できる施工会社・建築会社を探してみてください。

    建築時に外壁タイルを取り付ける場合であれば、施工だけでなくメンテナンスも含めて責任を持って取り組んでくれる業者を見つけると良いでしょう。

    3-2.長持ちするコーキング剤を選ぶ

    タイルの剥がれなどが起きる原因は、タイルそのものではなくコーキング剤の劣化であることが大半です。

    コーキング剤は一般的に10年ごとに補修や張り替えが必要ですが、経年劣化を抑えた新しいコーキング剤も登場しているため導入を検討してみましょう。高耐久性と高耐候性、高衝撃性を実現したタイプのコーキング剤では、通常のコーキング剤の3倍以上に当たる、30年以上の寿命を持つものまで登場しています。

    施工業者など専門家にどのコーキング剤が長持ちして品質が良いのか聞いたり、口コミも参考にしながら選ぶと良いでしょう。

    3-3.修繕工事のプロに定期的にメンテナンスを頼む

    外壁タイルのメンテナンスを行う際は、専門知識と高度な専門技能を持った修繕工事のプロに頼むことがおすすめです。

    修繕工事のプロは、外壁タイルやコーキングの不良への適した対処法・劣化が進みやすい場所への対策や劣化を抑える方法への豊富な知識と高い技術を持っており、資格を有している人もいます。知識や技能を持った専門家による定期的なメンテナンスを実施することで、外壁の寿命を伸ばし結果的にランニングコストの低減に繋げることが可能です。

    メンテナンスを頼む際には「資格があるか」「説明が分かりやすいか」「実績があるか」を判断基準にして業者を選ぶと良いでしょう。

    4.まとめ

    外壁タイルは、高級感のある質感と耐用年数の長さから、戸建てやマンションなどで広く採用されています。

    外壁に使用される他の素材に比べて初期投資はかかるものの、耐久性に優れるため定期メンテナンスの費用を抑えることが可能です。さらに、他の外壁素材に比べてトータルでの費用を安く抑えることもできます。

    外壁の設置を検討する際は、当記事を参考に、外壁タイルを候補に入れてみてください。

  • 東京都千代田区の大規模修繕施工(第一茜ビル)